抄録
小論の目的は,昭和初期の小学校手工科における実践内容の多様性を明らかにすることである。研究の方法は,高等師範学校および女子高等師範学校附属小学校の手工科教員が提案したカリキュラムの分析を起点とした。そして,文部省の教授要目との関係性,カリキュラムの最初と最後に課された授業,知識・技術の習得の手立て,教材および題材の質と量の関係,などに焦点を当てることで進めた。研究の結果,明らかになったことは,各実践者の持つ手工観(工業・美術・工作・表現・遊びなど)がカリキュラムの編成,特に題材設定や教授法に大きな影響を及ぼしていたということであった。