美術教育学:美術科教育学会誌
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「造形遊び」が定着しない要因の考察( 1 )
学習指導要領と図画工作の教科書
阿部 宏行
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2017 年 38 巻 p. 1-11

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抄録

本研究では,小学校学習指導要領図画工作の表現領域表現(1)「造形遊び」の現状について平成27年3月に札幌市内の小学校203校に対して調査を実施し約40校から回答を得た。1)その調査結果から,特に高学年の「造形遊び」の実施率が低迷している状況をとらえて,学習指導要領と図画工作の教科書(日本文教出版)の「造形遊び」の扱いに特化して考察した。平成10年の告示に新設された高学年の「造形遊び」が,子どもと対象の「関係性」に基づいていて,子どもが「状況」をとらえ,創造的な行為で「つくり・つくり変え・つくり続ける」ことを中心としていた。それが低・中学年との違いであり,その誤謬から起きた齟齬であったことを導き出した。

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