美術教育学:美術科教育学会誌
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日本の国際協力における基礎教育分野の一考察
対中南米造形美術教育の技術移転に関する質的分析
山田 猛
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2018 年 39 巻 p. 373-390

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抄録
日本の国際協力における造形美術教育への取組は,半世紀に及ぶ実績にも関わらず,その事例研究は極めて少ない。現場で活動する国際ボランティアの報告書と聞き取り調査をもとに,技術移転達成の可否に分析視点を設定し,その可否を分ける要因や,造形美術教育の技術移転に繋がりにくい要因を量的・質的両面で分析することにより検証した。その結果,語学能力や扱う題材のシンプルさの欠如,現地の教員の多忙さへの配慮不足等,ボランティア自身の質の向上の課題や,国際協力・造形美術教育現場の実態や課題,また滞在任期の弾力化の必要性等が明らかになった。また,質的分析により,活動半ばにおけるボランティア自身の変化が,技術移転の可否を分ける重要な要因となる点が浮かび上がってきた。それが見られない場合に技術移転否に繋がりやすく,それらの事例から概念的カテゴリーを抽出・分析し,関係性を再構築することで,技術移転否を招きやすい構造的な典型モデルが提示された。
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© 2018 美術科教育学会
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