美術教育学:美術科教育学会誌
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久保貞次郎と欧米視察旅行
1930年代末における視察旅行の意義と旅行に至る背景の解明を中心に
新井 哲夫
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2019 年 40 巻 p. 15-33

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抄録
本研究の目的は,欧米視察旅行(以下,欧米旅行)が久保貞次郎の批評家としてのキャリア形成に与えた影響と欧米旅行実現に至った背景を明らかにすることである。研究は,貞次郎が戦前・戦中に執筆した雑誌記事,同時期における貞次郎の実生活上の経験に関わる文献,戦後の回想記等を対象に文献研究法によって行った。その結果,欧米旅行が貞次郎の美術及び児童美術の批評家としてのキャリア形成に決定的影響を与えたこと,欧米旅行に至る背景については,エスペラント運動の経験と婚家の経済的支援が必須の前提条件となり,社会教育研究生の経験が自らの将来像を見直す機会を与え,それが大学院進学に繋がり,大学院時代に参加した日米学生会議における北米体験が欧米旅行実現の直接的な動因となったことを実証的に明らかにした。
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© 2019 美術科教育学会
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