抄録
本研究は2011年3月に発生した東日本大震災の直後に学校で行われたアートプロジェクトを分析・考察し,アートプロジェクトの美術教育的な意義を明らかにすることを目的としている。分析の対象は宮城県の学校教員が行った2つのアートプロジェクト〈東松島(宮戸)復興プロジェクトC(チルドレン)〉,〈表札プロジェクト〉である。これらを比較して共通点と違いを明らかにし,さらに〈表札プロジェクト〉参加者インタビューを実施しKJ法で分析した。その結果,前者が「(子どもたちの)心のケア」であることがわかった。後者が「震災全体を受容するための仕掛けとしてのアートプロジェクト」であり,その場合生徒は癒しの対象ではなく,主体的な学習者となることができた。