抄録
本研究は児童期の描画活動・漫画表現に関する実態解明型の実証研究である。具体的には造形教室に通う小学生51人を対象として,漫画のコマ割り表現に関するワークシートを用いた実践をおこない,その様子を参与観察してエピソード記述をおこなった。また児童が表現したコマ割り表現に関するワークシートの結果を検証し,さらに対象児童へのアンケート調査をおこなった。
その結果,児童期の子供はワークシートの設定や指導者の援助があれば,漫画のコマ割り表現のよさや表し方を理解し楽しみながら表現すること,また複数の絵(コマ)の組み合わせや配列によって新たな意味や解釈を創造することがわかった。