抄録
本研究の目的は,2014年に行った「創造美育運動」に関する概念規定を見直し,より精度の高いものに更新することである。更新が必要になった理由は,その後の研究によって,過去の概念規定の不十分さが顕著になったことと,この間の研究成果が本学会誌に複数年にわたって掲載されているため,読者が研究の全体像を把握することに困難が生じていることである。見直しに当たっては,事項を「語義」「歴史」「主張と実践」「戦後美術教育への影響」に分節化し,それぞれの項目についてより精緻な記述を目指した。研究の結果,現時点で可能な範囲で精度を高めた概念規定ができたが,あくまでも暫定的なものであり,引き続き調査研究を進める必要がある。とりわけ今日,創造美育運動の歴史から何を学ぶべきかについては,早急に検討を行う必要がある。