日本食品科学工学会大会講演要旨集
Online ISSN : 2759-3843
第71回 (2024)
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[2Hp] 野菜、果実
加熱殺菌したにんじんのテクスチャーに対する塩化カルシウム溶液ブランチングの影響
*梶田 路津子小林 哲也
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p. 110-

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抄録

【目的】野菜類のロングライフチルド(LLC)食品製造の加熱加工時に軟化して食感が損なわれることを抑制する目的で,発表者らはこれまで,にんじんの硬さを維持するため,沸騰水でのボイルブランチングに対し,60~70℃付近で加熱する低温ブランチングの条件を検討し,一定の効果が得られることを確認した.本研究では低温ブランチングにカルシウム塩を添加し,さらなる軟化の抑制を試みた.

【方法】材料のにんじん(北海道産市販品)を洗浄,剝皮後に15~25gの大きさに乱切りし, ブランチング後に真空パックしたものを100℃-30分で加熱(LLC加熱)した.ブランチングの条件は,ブランチングなし(無処理)を対照区とし,低温ブランチングとして温度は既報で軟化の抑制に効果の高かった60℃,塩化カルシウム(以下「塩化Ca」)濃度0,25,50,100,200mM水溶液に24,48,72,96,120分浸漬の各5段階を設定した.LLC加工後のにんじんはテクスチャーアナライザー(SMS社製,TA.XTplusC)による貫入試験(直径5mmステンレス製円筒型プローブ,貫入速度2mm/s,貫入長30mm)を行い,最大荷重を測定した.

【結果】最大荷重は対照区3.2N,塩化Caなし(0mM)低温ブランチング24~120分6.3~15.9Nで,浸漬時間が長くなるに従い対照区と比較して高くなった.塩化Ca濃度25~200mMでも同様に対照区,0mMと比較して浸漬時間および濃度依存的に最大荷重が高くなった.LLC加工にんじんの低温ブランチングにおいて,塩化Caの添加は軟化の抑制に効果的であることが示唆された.

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