日本食品科学工学会大会講演要旨集
Online ISSN : 2759-3843
第71回 (2024)
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[3Ba] 生理活性物質
キャベツの雪中貯蔵におけるS-メチルメチオニンスルホニウム含有量
*石川 世菜佐藤 優夏阿部 ありみ上西 孝明赤野 裕文中河原 俊治
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p. 211-

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抄録

【目的】キャベツにはアミノ酸誘導体で胃腸薬成分のS-methyl methionine sulfonium chloride(SMM)が含まれる。‘越冬キャベツ’は北海道上川郡和寒町などで生産され、収穫後、屋外で雪中貯蔵し、冬期の生鮮野菜として供給される。そこでキャベツのSMMおよびいくつかの遊離アミノ酸含有量に対する雪中貯蔵の影響を調べた。

【方法】キャベツ品種‘湖月’は11月収穫時の根切り処理後、11月〜3月の雪中貯蔵期間中1ヶ月ごとに採取し、これを葉部と中肋・茎部に分けて凍結乾燥した。SMMおよび遊離アミノ酸(Gln,Glu,Pro,Met)はDABS-Cl(Thermo Fisher Sci)誘導体化後、λ468 nmで定量した。標準試薬は、SMM(東京化成)、Gln(関東化学)、Glu、Pro、Met(和光純薬)を用い、HPLCはAgilent 1260 Infinity system (検出器1260 DAD)、カラムはPoroshell 120EC-C18, 2.7 µm, 3.0×50 mm, 25℃ (Agilent Technologies) を用いた。

【結果】SMMは、貯蔵開始時に対して、1ヶ月貯蔵時、葉部でやや減少、中肋・茎部では1.2倍に増加した。2ヶ月貯蔵では、葉部で2倍に増加、中肋・茎部では減少後、貯蔵開始時のレベルを維持した。Glnは、葉部、中肋・茎部ともに有意な増減を示し、Gluは、葉部、中肋・茎部ともに大きな変化は認められず、Proは、葉部ではほぼ一定であったが、中肋・茎部では貯蔵直後に減少し、その後増加に転じた。Metは、全ての試料で検出されなかった。本研究では、根切り処理後、雪中貯蔵したキャベツでSMMや遊離アミノ酸含有量が漸減するのではなく、有意な増加が認められるなど、アミノ酸代謝が制御され、含硫アミノ酸誘導体であるグルコシノレートの代謝にも関与することが示唆された。

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