日本臨床外科学会雑誌
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症例
原発性胆汁性胆管炎に併存した甲状腺内副甲状腺腺腫の1例
和久 利彦
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2025 年 86 巻 4 号 p. 477-481

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抄録

症例は80歳,女性.12年前に他院肝臓内科にて肝生検を行い,primary biliary cholangitis(PBC)と診断.1年前より血清カルシウム(Ca)値10.8~11.0mg/dlを示しintact-PTH 111.1pg/mlで尿路結石も認めたことから,primary hyperparathyroidism(PHPT)疑いで他院より紹介.骨密度検査では腰椎young adult mean(YAM)64%であった.超音波検査・造影CT上,甲状腺右葉上極寄り背側の腫瘤と甲状腺右葉下極側面の腫瘤いずれもが病的な副甲状腺と疑われた.両方あるいは少なくとも一方が病的副甲状腺と考えて,両側頸部検索後に右葉切除を行った.右葉背側腫瘤は甲状腺濾胞腺腫,右葉下極側面の腫瘤は甲状腺内に部分埋没した副甲状腺腺腫であった.共に骨粗鬆症をきたすPBCとPHPTの併存は骨折リスクをさらに上昇させることから,病的副甲状腺の局在診断が困難であっても外科治療の適応である.

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