日本食品科学工学会大会講演要旨集
Online ISSN : 2759-3843
第71回 (2024)
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[3Ga] 抗腫瘍、抗炎症、抗アレルギー
島根県西ノ島町産の食用褐藻における渋抜き前後の抗アレルギー性
*杉浦 義正三角 彰太山谷 裕昭中西 正美平田 文久林 裕一村瀬 昇
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p. 312-

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抄録

【目的】我々は西ノ島町産ツルアラメの抗アレルギー効果やその有効成分(フロロタンニン)1),サプリメント原料粉末の製造工程におけるフロロタンニンの変化2)を明らかにした.しかし,ツルアラメを一般食品へ応用する場合,嗜好性の問題で渋抜き(フロロタンニンの低減)が求められる.本研究では,渋抜き前後の成分比較や抗アレルギー性を検討した.また,比較原料の対照として、西ノ島町産アラメを使用した.

【方法】アラメとツルアラメを約10時間,水道水で釜炊きし,送風乾燥後,渋抜き前の乾燥原料とともに粉砕機を用いて微粉末を作製した.その微粉末に対して80%メタノール(80M)で成分抽出を行い,80M抽出物を調製した。各80M抽出物中のフロロタンニン含量はFolin-Denis法で計測した。2,2-diphenyl-1-picrylhydrazyl(DPPH)ラジカル消去能,および耳介浮腫(アレルギー性炎症モデル; ICRマウス)と脱顆粒(肥満細胞モデル; RBL-2H3細胞)による抗アレルギー試験で生理活性を評価した.

【結果】抽出物の収量は,渋抜き前に対して渋抜き後は約1/6~1/8だった.何れの褐藻も,渋抜き後80M抽出物ではフロロタンニンが検出されず,DPPHラジカル消去能はみられなかった.一方,両褐藻で渋抜き前後ともに80M抽出物はマウス耳介浮腫およびRBL細胞の脱顆粒を抑制した.よって,渋抜き前80M抽出物の有効成分はフロロタンニンであり,渋抜き後80M抽出物はフロロタンニン以外の成分である可能性が示唆された.また,アラメとツルアラメは概ね同等の効果だった.1) Sugiura, Y. et al., Algal Res., 58, 102398, 2021. 2) Sugiura, Y. et al., Food Sci. Technol. Res., 30, 261, 2024.

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