日本食品科学工学会大会講演要旨集
Online ISSN : 2759-3843
第71回 (2024)
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[3Ha] 穀物、豆、イモ
加熱凝固性および風味に着目した豆由来プラントベース素材の探索
*下田 一樹山本 紘義鈴木 隆久磯部 和宏白男川 太一
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p. 332-

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抄録

【目的】

 健康志向や環境意識の高まりから、プラントベース食品の開発が求められている。代替肉の製品が多種多様な展開を見せる中、卵の代替品はまだ少ない。そこで卵の物性や風味の再現に適した素材の開発を目指すこととした。そこで本試験では植物原料として、タンパク質を豊富に含む豆類に着目し、そのなかでも生産量が多い大豆、いんげん豆、小豆、えんどう豆、ひよこ豆、そら豆の中から選別することとした。各豆から抽出したタンパク質素材の色調や加熱凝固性、風味を評価することでプラントベース素材として用いる豆の種類を選定することを目的とした。

【方法】

 【試験①】各豆はハンマークラッシャーで粉砕し、脱イオン水で分散した後、塩酸を用いてタンパク質を沈殿させた。沈殿したタンパク質はアルカリにて溶解し中和後、凍結乾燥によってタンパク質抽出物を得た。タンパク質抽出物の水溶液は色調(L*a*b*)を測定後、加熱処理し、加熱凝固性を評価した。またこれら加熱サンプルの風味を官能評価で、香気成分をGC-MSでの分析によって評価した。【試験②】試験①でプラントベース素材候補として選定した豆の加熱凝固性に寄与するタンパク質をSDS-PAGEおよびLC-MS/MSにて同定した。

【結果】

 色調、加熱凝固性、風味を総合的に評価した結果、卵代替品の加工に適した淡い色を示し、豆類特有の不快臭が比較的少なく、卵のような加熱凝固性を示した大豆といんげん豆がプラントベース素材として適当であると考えられた。またSDS-PAGEおよびLC-MS/MSの結果から、大豆およびいんげん豆に含まれる11Sおよび7Sグロブリンが少なくとも加熱凝固ゲルを構成する重要なタンパク質であるとわかった。またこれらタンパク質の異なる物性について評価したため報告する。

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