日本食品科学工学会大会講演要旨集
Online ISSN : 2759-3843
第71回 (2024)
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[3Ja] 加工、製造技術
卵白タンパク質の乾熱変性挙動に及ぼす卵白,卵殻膜およびエンドウ豆ペプチド添加の影響
*寳耒 美里小山 翔大児玉 大介半田 明弘辻井 良政
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p. 374-

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抄録

【目的】  乾燥卵白は,液卵白を脱糖および噴霧乾燥した卵白粉末を乾熱処理(60~80°C、3日~3週間程度)することで製造される.長期間乾熱処理した乾燥卵白は,水戻しして調製した加熱ゲルの硬さおよび弾力が顕著に向上するため,食品の物性改良剤として重用されている.卵白タンパク質は乾熱処理中に,表面疎水性や表面負電荷が増加し,可溶性凝集体(SPA)を形成することが報告されている.乾燥卵白粉末の水分含量は少ないため添加成分が低濃度であっても卵白タンパク質と効率良く接触できると考えられる.そこで本研究では,食品加工に利用されるペプチドを添加し,卵白タンパク質の乾熱変性挙動に及ぼす影響を検証した.

【方法】 卵白粉末溶液にタンパク質量の0,1,3%のペプチド4種類(卵白A, 卵白B, 卵殻膜, エンドウ豆)を添加しpH 10.0に調整後,凍結乾燥し,5日間乾熱処理(相対湿度 40%, 80℃)してペプチド添加サンプルを調製した.各サンプルをタンパク質濃度100 mg/mL, pH 7.0に調整後、加熱(90℃, 30 min)し物性測定に供した.卵白タンパク質の可溶性凝集体量およびその分子量をゲルろ過クロマトグラフィーにて分析した.

【結果】 乾熱処理5日目において,ペプチド添加サンプルの最大荷重は無添加サンプルと比較して減少傾向が認められた.特にエンドウ豆ペプチドの添加により,添加量にかかわらず17%程度減少した.弾力性は,3%エンドウ豆ペプチド添加において無添加と比較して有意に減少したが,復元性に差異は認められなかった.総SPA量はペプチド添加サンプルにて無添加と比較して減少傾向であったが,有意差は認められなかった.また、SPAの分子量には顕著な差異は認められなかった.以上より,エンドウ豆ペプチド添加による最大荷重の減少はSPA以外の因子によるものであると示唆された.

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