日本食品科学工学会大会講演要旨集
Online ISSN : 2759-3843
第71回 (2024)
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[3Ma] 食品物性
メイラード反応により複合化したタンパク質/多糖類複合体がもつ乳化特性の解析
*上田 祐也笹倉 寛生酒井 貴博
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p. 419-

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抄録

【目的】

タンパク質やアラビアガムは、調味料、飲料等の幅広い分野において乳化分散の目的で使用されている。例えば大豆タンパク質は、調味料等において油脂成分を分散しコクや旨味を付与するために使用される。しかしタンパク質素材は、乳化分散能が弱く油脂成分を食品中で高配合できないことが課題である。一方でアラビアガムはその高い乳化分散能から、飲料において香料成分や色素成分を長期安定分散させる目的で使用される。しかしアラビアガムは天産物であり、収穫が天候に左右されやすいことや産地が限定的であることに課題がある。本研究ではこれらの素材が持つ課題を解決するため、タンパク質と多糖類のメイラード反応を応用し、持続的に入手でき、かつ高い乳化分散能をもつ素材を開発することを目的とした。

【方法】

タンパク質は、大豆タンパク質、エンドウ豆タンパク質、カゼインナトリウムを使用し、多糖類はDE値が4および20のデキストリンを使用した。タンパク質と多糖類を配合した水溶液を30%水酸化ナトリウム水溶液にてpH 11に調整し、オートクレーブにて120℃10分の加熱反応を行う事で、タンパク質と多糖類をメイラード反応させた。その水溶液に10%となるように中鎖脂肪酸トリグリセリド(MCT)を投入し、高速撹拌機を用いて乳化処理し乳化組成物を得た。得られた乳化組成物の油滴径をレーザー回折粒度分布計にて評価し、タンパク質/多糖類複合体がもつ乳化分散能を比較した。

【結果】

デキストリンと複合化することで、いずれのタンパク質についても乳化分散能が向上した。また、複合化させるデキストリンのDE値が小さい方が、より乳化粒子を微細かつ安定に分散できることがわかった。エンドウ豆タンパク質とDE値4のデキストリンを用いることで、アラビアガムと同等の乳化分散能を持つタンパク質/多糖類複合体が調製できることが見出された。

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