抄録
本研究の目的は,「多文化保育」にかかわる文献の検討を通して,現在までの研究傾向と今後の課題について明らかにすることである。抽出された全98件の論文は研究対象ごとに6つのカテゴリーで分類し,さらに研究目的及び内容ごとに19のカテゴリーで分類した。その結果,研究蓄積や研究内容は増加傾向にあった。しかし,子どもの姿を観察した長期的な研究が少ないこと,「すべての子どもたちのため」の「多文化保育」についての研究がなされていないことが課題として明らかになった。今後,保育現場において「多文化保育」が「特別な取り組み」でなくなるよう,研究の発展を通して具体的方法やプロセスが広まっていく必要性が示唆された。