日本食品科学工学会大会講演要旨集
Online ISSN : 2759-3843
第71回 (2024)
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[3Mp] 鮮度保持、資源循環、その他の食品工学
ホール果実の過冷却保存とその生残率の評価に関する研究
*滝村 恋奈川村 暁折笠 貴寛小出 章二
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p. 433-

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抄録

【目的】

これまでカット青果物の過冷却保存は,菌数の抑制,品質の保持,エチレン生成の抑制に効果的であることが示されており,実用化されれば超長期保存が可能となる技術である1).しかし,ホール果実を対象とした過冷却保存は,試料の生残率(凍結の有無)について判別する手法が確立されていなかったことから,研究が行われてこなかった.そこで本研究では,‘シャインマスカット’の過冷却保存を行うとともに,生残率の評価を確立することでホール果実の過冷却保存に関する新たな可能性について検討した.

【方法】

粒を房から軸を残した状態でカット(以後,試料)した後OPPフィルムに入れ,これをサンプルとした.サンプルを-5 ℃のインキュベータ内で2日間保存したものを実験区,5 ℃で2日間保存したものをコントロール区とした.試料の生残率は,熱電対を使用して測定した温度履歴と電気インピーダンス法により得られた各試料のCole-Coleプロットを組み合わせることで判別した.実験では,実験区とコントロール区の試料の品質を計測するとともに,過冷却成功/解消試料の画像分類を行った.本研究では以上に加えて,2点識別・嗜好試験法による官能評価を行った.

【結果】

電気インピーダンス法による過冷却成功/解消の判別法を確立し,この判別法によりホール果実の過冷却保存が可能であることを示した.また,実験区の品質はコントロール区に比べ保持された.更に,凍結濃縮に起因すると思われる酵素反応による果皮色の変化を画像として機械学習させることで,過冷却成功/解消の自動分類を可能とした.また,官能評価の結果,食する温度によりホール果実に関する嗜好性が変化する知見が得られた.

1)R.Osuga,S.Koide et al.Food Control.108014(2021)

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