日本食品科学工学会大会講演要旨集
Online ISSN : 2759-3843
第71回 (2024)
会議情報

[3Mp] 鮮度保持、資源循環、その他の食品工学
保存温度によるロングライフ牛乳の風味特性と香り成分の変化
*鈴木 泰輔秋山 正行渡部 加苗渡邊 武俊加藤 美佳村上 裕介若尾 庄児柳澤 詠子
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 435-

詳細
抄録

【目的】ロングライフ牛乳の長期常温保存時の品質変化に関する研究は,十分になされていない.本研究では,間接加熱UHT殺菌牛乳を5,25℃で4か月間(4M)保存した時の風味特性と香り成分の変化を調べ,常温保存時の風味特性変化に関わる香り成分を見出すことを目的とした.

【方法】森永乳業の北海道十勝地域の工場に集乳された生乳を,プレート式殺菌機で140℃2秒間処理し,均質化した後,無菌充填してロングライフ牛乳を調製した.その牛乳を5,25℃で保存し,0,2,4M品を,QDA法で風味特性を評価,GC-MSとGC-O(CharmAnalysisTM)で香り成分を分析した.

【結果】QDA評価の結果,2M保存では,5と25℃品間で5の風味特性で有意(p<0.05)な強度差がみられた.また,4M保存では,両温度間で10の風味特性で強度差がみられた.その中で「プラスチック臭」は2,4M保存ともに25℃品が強かった.GC-MS分析で検出した43の香気成分中,保存中に有意な変化を示した35の香気成分を用いて主成分分析(PCA)を行った結果,25℃品は5℃品より保存中の香気プロファイルの変化が大きく,25℃品は保存期間によっても変化することが分かった.GC-O分析で検出した43の匂い成分は,その匂い特性から13に分類された.13の匂い特性毎に合計した匂い強度を用いたPCAの結果,25℃品は5℃品より保存中の匂いプロファイルの変化が大きく,その変化には「ココナッツ臭」が大きく寄与していた.「ココナッツ臭」を構成する匂い成分の中で,(Z)-6-dodecen-4-olideの匂い強度は,2,4M品で感知された全匂い成分の中で最も強く,かつ25℃品で強度が増加した.以上より,(Z)-6-dodecen-4-olideが,25℃保存で強くなる風味特性である「プラスチック臭」に関係している可能性が示唆された.

著者関連情報
© 2024 公益社団法人 日本食品科学工学会
前の記事 次の記事
feedback
Top