日本食品科学工学会大会講演要旨集
Online ISSN : 2759-3843
第71回 (2024)
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[2Ep] 骨代謝、ミネラル代謝、抗酸化
食事由来酸化Stigmasterolはマウスの抗酸化システムを変動させる
*小原 唯長田 恭一
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p. 80-

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抄録

【目的】

植物ステロールは血清コレステロール低下作用を示す機能性成分であるが,加熱や長期保存で酸化することが知られている.本研究では,植物ステロールの1つであるstigmasterolの酸化物をマウスに経口投与し,抗酸化システムに与える影響を検討した.

【方法】

Stigmasterolを加熱酸化後,シリカゲルカラムに供して酸化物を精製し,その組成をGC-MSに供して解析した.

6週齢のICR系雄性マウスを10日間予備飼育後,vehicleを投与したC群,stigmasterol 15 mgを含む投与液を与えたS群,酸化stigmasterol 15 mgを含む投与液を与えたOS群の3群に分けて,5日間経口投与した.なお,予備飼育8日目から植物油に代えて3%ラードを添加したAIN76基準食を摂食させた.飼育6日目に解剖し,種々の抗酸化パラメータを測定した.

【結果】

作製した酸化stigmasterolの酸化物レベルは97.6%であった. 

肝臓のTBARS値はC群及びS群と比べてOS群で有意に高くなった.さらに,赤血球,肝臓サイトゾル及びミトコンドリアのCAT活性は,C群及びS群と比べてOS群で有意に高くなった.肝臓サイトゾルのGR活性は,C群及びS群と比べてOS群で有意に高くなった.また,肝臓ミトコンドリアのGR活性は,C群と比べてOS群で有意に高くなり,S群と比べてOS群で上昇傾向となった.肝臓サイトゾル及びミトコンドリアのGST活性は,C群及びS群と比べてOS群で有意に高くなった.その他の酵素活性は群間に変化がなかった.また,肝臓のグルタチオンレベルは,C群と比べてOS群で有意に高くなった.

以上のことから,酸化stigmasterolの摂取で酸化ストレスが生じ,肝臓で脂質過酸化反応が誘導されたが,種々の抗酸化酵素の応答により,抗酸化システムが維持されることが明らかとなった.

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