日本食品科学工学会大会講演要旨集
Online ISSN : 2759-3843
第71回 (2024)
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[2Fp] その他食品機能
マルトビオン酸のコラーゲン吸収促進効果と作用メカニズムの検討
*末廣 大樹池田 奈未深見 健大西 素子
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p. 93-

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抄録

【目的】蜂蜜に含有する成分として見出されたマルトビオン酸(4-О-α-D-グルコピラノシル-D-グルコン酸)は、負の電荷を持つ難消化性の二糖類である。これまでにヒト試験等において、マルトビオン酸摂取によるミネラル吸収促進や、骨密度の改善に寄与することを明らかにしている。本研究では、コラーゲンの吸収促進に関するメカニズムと、ヒトでの効果を検討することを目的とした。

【方法】[試験①] コラーゲンを小腸内摸擬液に溶解後、マルトース、クエン酸、グルコン酸、マルトビオン酸をそれぞれ添加し、pHタイトレーション測定より等電点を求めた。[試験②]ラットの空腸より反転サックを作製した。反転サックはTris緩衝液とコラーゲンを含む、マルトビオン酸またはマルトース添加溶液(粘膜側外液)に浸し、反転サック内液側へ吸収されたコラーゲンに特異的なアミノ酸であるヒドロキシプロリン量を測定した。[試験③] 中部大学倫理審査委員会の承認を経て、健常成人男女29人を対象に、単回摂取後のコラーゲン吸収に関する二重盲検クロスオーバー試験を実施した。試験当日の朝、マルトース(プラセボ群)または、マルトビオン酸(試験食品群)を、コラーゲンを含む朝食と一緒に摂取させた。試験開始後180分までに計5回採血を行い、ヒドロキシプロリン量を測定した。

【結果】コラーゲン含有小腸摸擬液の等電点は、マルトビオン酸添加により顕著な低下が確認された。反転サック試験では、マルトビオン酸添加による内液中のヒドロキシプロリンの有意な増加が示された。ヒト試験では、摂取30、60分後の血中ヒドロキシプロリン量は、試験食品群はプラセボ群と比較して有意な高値を示した。また摂取180分後までの曲線下面積も20%以上の有意な上昇が見られた。マルトビオン酸のコラーゲンに対する物理的な作用や腸管吸収性の亢進が、コラーゲンの吸収促進に寄与する可能性が考えられた。

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