日本食品科学工学会大会講演要旨集
Online ISSN : 2759-3843
第72回 (2025)
セッションID: 3Ca02
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[3Ca01-08] 食品機能 脂質、コレステロール調節、認知機能
焙煎玄米コーヒーの摂取が高脂肪・高コレステロール食負荷ラットの脂質代謝に与える影響
*石川 聖, 樋口 恭平, 河合 陸音, 羽石 悠里, 山内 淳, 古庄 律, 谷岡 由梨
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抄録

【目的】近年,生活習慣の乱れに起因する生活習慣病の増加は深刻な問題であり,特に脂質異常症は心疾患の主要なリスク因子として,その予防と改善が重要視されている.そこで本研究では,玄米を焙煎・粉末化した焙煎玄米コーヒー(RBR)に着目した.RBRは,焙煎により食物繊維量が増加し,in vitroでの抗酸化能および胆汁酸吸着能が確認されているが,生体への影響は明らかでない.そこで本研究では,ラットを用い,RBRの脂質代謝に及ぼす影響を検討した.

【方法】AIN-93G組成にラード20%およびコレステロール1%を付加した高脂肪・高コレステロール食群(HF群),高脂肪・高コレステロール食に,食物繊維量が等しくなるようα化玄米粉末または焙煎玄米コーヒー粉末を付加したα化玄米群(BR群)または焙煎玄米コーヒー群(RBR群)を,6週齢のSDラットに一週間の馴化期間の後,8週間給餌した.餌はペアフィーディングで行い,水は自由摂取とし,実験終了前の3日間の糞便を回収し,胆汁酸量の測定に用いた.

【結果】高脂肪・高コレステロール食をラットに8週間摂取させたところ,総摂食量には群間で有意差はなかったが,体重増加量に関してはRBR群で4〜7週目にBR群に対して有意な増加抑制が認められ,摂取エネルギーに比した抑制効果が示唆された.肝臓観察では,HF群に比べてBR群およびRBR群で肥大抑制が見られ,肝臓中総脂質量および過酸化脂質量もHF群より有意に低値を示した.糞中胆汁酸量はRBR群でHF群およびBR群より有意に増加し,RBR中の水溶性食物繊維が腸管内で胆汁酸吸着を介して排泄を促進した可能性が示された.RBR摂取による最終体重,白色脂肪組織重量,血清脂質,AST・ALT,肝臓中TGおよびTC量には明確な改善効果は見られなかった.以上より,RBRは胆汁酸排泄促進,体重増加や肝中脂質蓄積・酸化の抑制に寄与するが,全身的な脂質代謝の改善には長期または高用量での摂取が必要と考えられた.

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