日本食品科学工学会大会講演要旨集
Online ISSN : 2759-3843
第72回 (2025)
セッションID: 3Cp10
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[3Cp01-10] 加工,製造技術
豆乳コロイド分散系の粘性に及ぼす凝集挙動の影響
*米澤 詩音, 中島 侑香, 石川 大太郎, 藤井 智幸
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抄録

【目的】豆乳はタンパク質を主成分とした連続相中に油滴球が分散したコロイド分散系である。コロイド分散系の相対粘度ηrは、希薄系ではEinstein式が成り立つことが知られている。Einstein式は、体積分率が高くなると成り立たなくなり、準希薄系ではKrieger-Dougherty式ηr=(1-Kd∙ϕ)^(-[η]/Kd)(ϕ: 体積分率, [η]: 固有粘度, Kd: KDパラメータ)が適用される。しかし、架橋剤を添加したコロイド分散系に対して適用可能な粘性モデルは少ない。本研究では、豆乳コロイド分散系の粘性に関して、架橋剤やpHの影響を考慮した粘性モデル(拡張KD式)を用いて凝集の観点から解析を試みた。

【粘性モデル】架橋剤により生成した凝集体の有効体積分率に着目すると、架橋剤添加に伴う増分ϕcは架橋剤濃度Cに比例し、ϕc=hc∙Cと表されると考える。ここでhcは凝集体のかさ高さを示すパラメータである。この時低架橋剤濃度条件での粘度は、架橋剤未添加での粘度で除した無次元粘度をηdとすると、ηd=1+2.5∙hc∙Cとなる。一方、高架橋剤濃度条件では、ηd=(1-Kc∙hc∙C)^(-2.5/Kc)となる。ここでKcは最大粒子充填率の逆数であり、凝集体の充填程度を示すパラメータである。

【材料と方法】試料として市販の豆乳3種を、架橋剤として塩化マグネシウムを選んだ。豆乳に25℃において1M塩化マグネシウム水溶液を添加して試料を調製した。B形粘度計(東京計器)を用いて60rpmでの見かけの粘度を測定した。pHは25℃で5%アスコルビン酸溶液を用いて調整した。豆乳の無次元粘度ηdから、拡張KD 式を用いてhcとKcを求めた。

【結果及び考察】豆乳に塩化マグネシウムを添加すると粘度は低下し、さらに添加すると極小を示した後上昇する挙動が観察された。粘度上昇領域に拡張 KD式を適用したところ、hcとKcで評価することができた。粘性に及ぼすpHの影響を評価したところ、粘度はpHが等電点に近づくにつれて急激に上昇する挙動を示した。粘性のpH依存性を、拡張 KD 式における架橋剤濃度を水素イオン濃度に置き換えることによって、拡張 KD式で解析することができた。

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