日本食品科学工学会大会講演要旨集
Online ISSN : 2759-3843
第72回 (2025)
セッションID: 3Ca04
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[3Ca01-08] 食品機能 脂質、コレステロール調節、認知機能
ニンニク臭気前駆体S-allyl-L-cysteine sulfoxideの抗肥満作用とその作用機序の検討
*江藤 聖弥, 稲村 天音, 平田 龍司, 山口 勇将, 熊谷 日登美
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抄録

【目的】近年,食生活の急激な変化により,過剰なカロリーや脂肪摂取が原因となったメタボリックシンドロームが世界的な問題となっている.ニンニク臭気前駆体のS-allyl-L-cysteine sulfoxide(ACSO)は,血小板凝集抑制作用など様々な機能を有し,無味・無臭かつ水溶性であるため広範な食品への利用が可能である.ACSOは高脂肪食によって誘導される肥満マウスの脂質プロファイルを改善することが報告されているが,その詳細なメカニズムはわかっていない.脂肪組織のうち,熱産生(非ふるえ熱産生)に関与する褐色脂肪組織は脱共役タンパク質1 (UCP1)を介して余剰エネルギーを熱として消費し,抗肥満作用を発揮する.本研究では,ACSOが脂肪細胞の熱産生および脂肪量に与える影響について検討し,抗肥満作用のメカニズムを明らかにすることを目的とした.

【方法】C3H 10T1/2細胞を脂肪細胞へ分化させ,ACSOを添加した際の脂肪蓄積量の変化を蛍光染色により評価した.また,ACSOがUCP1発現に及ぼす影響をウエスタンブロッティングにより検討した.in vivo系においては,C57BL/6JマウスにACSOを経口投与し,高脂肪食給餌による体重・脂肪組織重量の増加を抑制するか検討した.また,ACSOによる脂肪組織中のUCP1発現への影響を評価した.

【結果】細胞実験において,ACSOは脂肪蓄積量を有意に減少させた.一方,ウエスタンブロッティングの結果から,UCP1発現量に対するACSOの影響は認められなかった.これらの結果から,ACSOはUCP1活性化以外の機構を介して細胞内の脂肪蓄積を抑制すると考えられた.また,in vivo系において,マウスにACSOを投与することで,高脂肪食給餌による体重・脂肪組織重量の増加を抑制し,脂肪組織中のUCP1の発現量が増加傾向を示した.以上の結果から,経口投与されたACSOは脂肪組織中のUCP1発現量を増加させることで抗肥満作用を発揮するが,それは生体内の代謝調節機構が関与していることが示唆された.

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