日本食品科学工学会大会講演要旨集
Online ISSN : 2759-3843
第72回 (2025)
セッションID: 3Ca05
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[3Ca01-08] 食品機能 脂質、コレステロール調節、認知機能
乳酸は細胞内Ca2+の上昇を介してNE-4C神経細胞のアセチルコリン系を亢進する
*江崎 菜々津田 孝範松井 利郎
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キーワード: 乳酸, NE-4C, アセチルコリン
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抄録

【目的】近年, アストロサイトから神経細胞への乳酸供給がマウスの長期記憶の形成に役立つことが報告され, 乳酸の神経細胞内での機能が注目されている. 本研究では, NE-4C神経細胞を用いて乳酸が神経伝達物質アセチルコリン (ACh) 系に与える影響とその作用機構を明らかとすることを目的とした.

【方法】神経幹細胞NE-4Cは, レチノイン酸 (1 μM) により神経細胞に分化誘導した. Control群および乳酸添加群 (20 mM) を設け, 乳酸添加後1~48時間に細胞を回収した. ACh測定のため, 細胞破砕液をLC-qTOF/MS分析に供した (ACh: [M]+=146.1176 m/z, 内標準ACh-d4: [M]+=150.1523 m/z). また, Flex station Ⅲを用いた細胞内Ca2+濃度 ([Ca2+]i) のリアルタイム測定 (Ex/Em: 485 nm/525 nm) およびWesシステムによりACh系関連タンパク質発現解析を行った.

【結果】乳酸添加1時間後, 乳酸添加群ではControl群と比較して細胞内ACh量の有意な増加およびアセチルコリンエステラーゼ (AChE) タンパク質発現量の有意な減少が認められた. さらに, 乳酸がピルビン酸へ代謝される過程でNADH/NAD+ 比および [Ca2+]i を増加させた. [Ca2+]i上昇機構を検討するため, NMDA受容体阻害剤を用いた結果, 乳酸による [Ca2+]iの増加は有意に抑制された. 乳酸添加24時間後, AMP活性化プロテインキナーゼ (AMPK) およびコリンアセチルトランスフェラーゼ (ChAT) のタンパク質発現量は有意に増加した. 以上より, 乳酸分子はAChEを直接的かつ Ca2+-AMPK-ChAT経路を介してACh系亢進に関与していることが示唆された.

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© 2025 公益社団法人 日本食品科学工学会

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