日本食品科学工学会大会講演要旨集
Online ISSN : 2759-3843
第72回 (2025)
セッションID: 3Ca06
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[3Ca01-08] 食品機能 脂質、コレステロール調節、認知機能
米胚乳タンパク質加水分解物がヒトの認知機能に与える影響
*阿部 志門杉本 淑惠樋口 裕樹髙橋 肇
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抄録

【目的】米胚乳タンパク質(REP)は種々の生理機能を示すことが報告されている.しかしながら,有効摂取量の多さから機能性食品として広く食されるには至っていない.これまでに我々はREPを酵素で分解してREP加水分解物を作製し,少量で緊張感・不安感緩和作用や食欲増進作用などの生理機能を担う新たな食素材の研究開発を行ってきた.近年,日常的に摂取可能な食品成分による認知機能の改善効果が注目を集めていることから,本研究では,REP加水分解物がヒトにおいて認知機能に与える効果を評価すべく臨床試験を実施した.

【方法】健常な50歳以上69歳以下の男女40名を対象にランダム化二重盲検プラセボ対照並行群間比較試験を実施した.被験者をアクティブ群またはプラセボ群に20名ずつ無作為に割り付け,REP加水分解物含有食品(200mg/日)またはプラセボ食品を摂取させた.摂取期間は12週間とし,REP加水分解物がヒトの認知機能に与える影響を評価した.認知機能の評価にはCognitraxおよびあたまの健康チェック(拡張版)を用いた.またQOL調査としてSF-36v2 日本語版を用いてREP加水分解物が主観的な生活の質に与える影響を評価した.合わせて安全性評価としてバイタルサイン,身体測定,血液生化学的検査,血液学的検査,尿検査及び有害事象の評価を実施した.

【結果】REP加水分解物の摂取はCognitraxの標準化スコアの実測値において摂取12週後のSDCテストの正解応答のスコアをプラセボ群と比較して有意に上昇させた.一方で,群間比較においてCognitraxのその他の項目およびあたまの健康チェック,SF-36v2の改善は認められなかった.SDCテストでは被験者が記号に対応する数字を素早く正しく入力する処理が要求されるため,REP加水分解物の摂取は情報処理速度や複雑な注意力,視覚的知覚速度といった認知機能を向上させる可能性が示唆された.また,安全性評価項目においてはREP加水分解物の摂取と関連のある有害事象は認められなかった.

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