主催: 公益社団法人 日本食品科学工学会
会議名: 日本食品科学工学会第72回大会
回次: 72
開催地: 日本大学生物資源科学部 湘南キャンパス
開催日: 2025/08/27 - 2025/08/29
【目的】冷菓は喫食中に口内で昇温され顕著に物性が変化する.チョコでアイスをコーティングしたチョコバーアイスクリーム(以下チョコバーアイス)は,チョコとアイスの複合的な状態変化が風味や嗜好性に大きく寄与すると考えられる.本研究ではコーティングするチョコのみ異なる物性とした場合,チョコバーアイスの官能特性に及ぼす影響を調査することを目的に,機器分析及び官能評価を実施した.
【方法】-18℃から常温にかけて融解特徴が異なるチョコ3種(A:融解温度がアイスより低く融解速度が遅い,B:融解温度がアイスと同程度で融解速度が遅い,C:融解温度がアイスより高く融解速度が速い)を使用した.バニラアイスに各チョコをコーティングしたチョコバーアイス3種を評価試料とした.機器分析はレオメーターで破断試験を実施し,物性の違いを分析した.官能評価はパネル12名によって, CATA法で食感特性を把握し,採点法でチョコとバニラの風味や口どけについて喫食時のトップ,ミドル,ラストにおける風味変化を7段階で評価した.
【結果】物性は,機器分析で喫食直後にC>B>Aでかたく,Cは多数の崩壊が認められ,官能評価のCATA法で得られたCの特性「パキパキ」「くだけやすい」や,採点法での食感のかたさの評価と一致した.風味は,融解温度がアイスより低いAは,トップのチョコ味が強く,アイスのバニラ味がトップからラストにかけて強まった.一方,融解温度がアイスより高いCはトップからミドルよりも,ラストにチョコ味が強く発現した.これはアイスが融解している間チョコは固体のままで,その後口内にチョコのみ残るためと推察された.Bはアイスの融解の間,チョコも同時にゆっくりと融解することで,トップからラストまで両風味が同程度発現した.本検証から,コーティングチョコの融解特徴がチョコバーアイス全体の経時的な官能特性に影響を及ぼすことが示された.