日本食品科学工学会大会講演要旨集
Online ISSN : 2759-3843
第72回 (2025)
セッションID: 3Fa06
会議情報

[3Fa01-10] 感性評価,官能評価
スパイスエキス添加による炭酸水の風味変化の検討
*荒木 萌, 野中 美桜, 水澤 舞花, 中川 有理, 佐川 岳人, 重村 泰毅, 佐藤 吉朗
著者情報
キーワード: 香辛料, 炭酸水, 官能評価
会議録・要旨集 オープンアクセス

詳細
抄録

【目的】スパイスは,食材の風味を高めたり,臭みを抑えたりする目的で広く利用されており,我々はこれまでにスパイスエキスの食品への応用による新たな食味の創出を検討してきた.本研究では,無糖炭酸水にスパイスエキスを添加した際に生じる風味変化を明らかにすることを目的とし,TDS法および評点法によってその特性を評価した.炭酸水の嗜好性向上,スパイスエキスの炭酸飲料への応用可能性の探索を試みた.【方法】使用するスパイスは,ローレル,オールスパイス,クローブ,ブラックペッパー,コリアンダーシード(いずれもエスビー食品(株)製)の5種類とし,パウダー状のものを使用した.各試料の粉末を熱水で蒸留し,得られた蒸留物の香りが感じられなくなるまで希釈した液体をスパイスエキスとし,このスパイスエキスを添加した炭酸水を官能評価の試料とした.パネルは東京家政大学の学生および教員16名とし,評価は繰り返し実施した.TDS法では味質に注目し,嚥下前後の基本五味・無味の計6項目の経時的変化を確認した.評点法は味と香り・刺激・後味の項目より風味変化を評価した.また,円卓法により決定した選択肢と自由記述により各試料の特徴を抽出した.【結果】スパイス自体の香りを感じなくなる程度にスパイスエキスを加えた炭酸水試料であっても,炭酸水自体の風味にわずかな変化が生じた.具体的には,オールスパイス,クローブ,コリアンダーシードは酸味,ローレルは苦味であった.ブラックペッパーについては,他のスパイスより,風味変化を感じにくいものであった.一方で,炭酸の刺激感については,全てのスパイス種において,わずかながら弱まる傾向があった.このことは,においを感じない程度の量のスパイスエキスであっても,風味だけではなく,炭酸水の刺激感も変化させる可能性のあることを示唆するものであった.炭酸水だけでなく,炭酸飲料への活用につながることが期待される.

著者関連情報
© 2025 公益社団法人 日本食品科学工学会

この記事はクリエイティブ・コモンズ [表示 - 非営利 - 継承 4.0 国際]ライセンスの下に提供されています。
https://creativecommons.org/licenses/by-nc-sa/4.0/deed.ja
前の記事 次の記事
feedback
Top