日本食品科学工学会大会講演要旨集
Online ISSN : 2759-3843
第72回 (2025)
セッションID: 3Ep10
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[3Ep01-11] 衛生、殺菌、抗菌
Leuconostoc citreumに感染する新規バクテリオファージLcHU1の性状
*上田 望友, 山木 将悟, 山﨑 浩司
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抄録

【目的】食品の腐敗・変敗に関与する微生物の制御による保存期間の延長は食品ロス対策のひとつである.しかし,乳酸菌はその制御が困難であるため,効果的な制御手法の確立が必要である.本研究では,バクテリオファージ(ファージ)の応用に着目し,乳酸球菌Leuconostoc citreumに感染するファージLcHU1を分離したため,ファージLcHU1の性状分析を通じてその応用可能性を検討した.

【方法】供試菌株としてL. citreum MFS 2017をGYP brothで培養し実験に供した.ファージLcHU1はPEG 6000を用いて濃縮後,塩化セシウム密度勾配超遠心により精製し,以降の実験に供した.宿主域分析,透過型電子顕微鏡(TEM)による形態観察,吸着試験,一段増殖試験によりLcHU1の一般性状を分析した.さらに,LcHU1のゲノム解析を行った.

【結果】TEM観察の結果,ファージLcHU1は正二十面体の頭部と非収縮性の柔軟な尾部を持つsiphovirusであり,Ca2+とMg2+はLcHU1の吸着に影響を与えなかった.一段増殖試験の結果,潜伏期は20分間,バーストサイズは38.9 ± 1.7 PFU/infected cellであった.LcHU1の宿主域は極めて狭く,Leuconostoc属細菌34株のうち2株のL. citreumのみにプラークを形成した.したがって,ファージLcHU1によるLeuconostoc属細菌の制御は実用的ではないと考えられる.そこで,ゲノム解析によりファージ由来溶菌酵素遺伝子の情報取得を試みた.LcHU1のゲノムサイズは約28 kbpであり,ORFのひとつに溶菌酵素遺伝子の存在が予測された.今後,Leuconostocファージ由来の溶菌酵素の研究と応用により,Leuconostoc属細菌の効果的な制御手法の開発に貢献することができると期待される.

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