日本食品科学工学会大会講演要旨集
Online ISSN : 2759-3843
第72回 (2025)
セッションID: 3Hp01
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[3Hp01-08] 穀物
ドデシル硫酸ナトリウム溶液中での加熱が米に与える影響
*大能 俊久
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抄録

【目的】米飯の物性に関与する成分としてタンパク質が挙げられ,タンパク質が多いと硬くて粘りの少ない米飯となる傾向がある.しかし,どのタンパク質がどのように米飯の物性に関与しているかは分かっていない.演者らの研究により米飯のバランス度を上昇させる還元剤溶液中での加熱時にグルテリンの酸性サブユニット,塩基性サブユニットが米粒から多く脱離することが分かった.今回はタンパク質を可溶化する能力が高いドデシル硫酸ナトリウム(SDS)溶液中で米を加熱し,どのような現象が起こるのかを調べた.

【実験方法】40℃で2か月貯蔵したコシヒカリを試料とした.米に約2倍量のミリQ水,または10 mMの溶液(DTT,亜硫酸ナトリウム,リン酸水素2ナトリウム,炭酸水素ナトリウム、SDSの各溶液)を加えて1時間浸漬した.その後,75℃で5分ゆっくり振とうしながら加熱し,直後に水冷した.そして米粒を軽く撹拌した後に米粒を除き,105℃で加熱乾燥し,重量を測定して加熱時脱離固形分量とした.また,加熱時に米粒から脱離,または溶出するタンパク質をSDS-PAGEで調べた.米5 gにミリQ水,または10 mMのSDS溶液7.5 mlを加えて1時間浸漬した後電気炊飯器で炊飯した米飯の物性をテンシプレッサー(タケトモ電機,TTP-50BX2型)で測定した.

【結果】加熱時脱離固形分はDTT,亜硫酸ナトリウム,SDS区でミリQ水区に比べて10%以上増加した.加熱時に脱離,または溶出するタンパク質はDTT,亜硫酸ナトリウム区でグルテリンの酸性サブユニット,塩基性サブユニットと予測されるバンドが濃くなり,SDS区ではグルテリンの酸性サブユニット,塩基性サブユニットとともにプロラミンと予測されるバンドも濃くなっていた.米飯のバランス度はSDS区で有意に上昇した.以上の結果とこれまでの研究結果から,米粒外周部の難溶性タンパク質グルテリン,プロラミンの脱離や溶出が米粒の糊化を促進し米飯のバランス度を上昇させると推測した.

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