日本食品科学工学会大会講演要旨集
Online ISSN : 2759-3843
第72回 (2025)
セッションID: 2Bp-03
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[2Bp01-10] 食品機能 血糖調節、骨代謝、ミネラル代謝、その他食品機能
リコピンの継続摂取は食後血糖値の上昇を抑制する
*田中 泰史相原 萌乃呉藤 伊織小林 誠瀧原 孝宣
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抄録

【目的】 ヒトにおいて, トマトジュースの単回摂取により食後血糖値の上昇が抑制されたとする報告があり, トマトに含まれる食物繊維による糖の吸収抑制作用が示唆されている. 一方, トマトに含まれる主要なカロテノイドであるリコピンも, ラットにおける耐糖能改善作用が示唆されている. しかし, リコピンの血糖値への影響を検証した臨床試験は少なく, 作用機序も明らかとされていない. そこで, リコピンの耐糖能改善作用を期待した継続摂取下における, 食後血糖値の改善効果を検証した.

【方法】 20~64歳の血糖値が高めの健常な成人男女6名を対象とし, ランダム化プラセボ対照二重盲検クロスオーバー試験を実施した. リコピン12.38 mg/粒を含むカプセル, またはプラセボカプセルを, 1日2粒, 朝食前に4週間毎日摂取させた. 摂取開始日及び4週間後に, 12時間絶食後カプセル2粒を摂取させた後, 白米150gを摂取させ, 食前及び食後120分までの血糖値及びインスリンを経時的に測定した. また, 測定値から血糖値のCmax, IAUC, ⊿Cmax, インスリンのCmaxとIAUC, 及びHOMA-IRを算出した.

【結果】 摂取開始日において, リコピンの単回摂取による食後血糖値への影響は認められなかった. 一方, リコピンの4週間継続摂取下における, リコピンの食前投与により, 対照群と比較し, 食後血糖値のCmaxが有意に低くなり(p < 0.05), ⊿Cmax, 食後60分及び120分の血糖値が低値傾向となった(p < 0.1). 食後血糖値のIAUC, インスリン, 及びHOMA-IRへの影響は認められなかった.

【結論】 血糖値が高めの健常成人を対象としたリコピンの継続摂取下におけるリコピンの食前摂取により, 食後血糖値の上昇が抑制されることが明らかとなった. また単回摂取では効果が認められなかったことから, リコピンによる食後血糖値上昇抑制効果は糖の吸収抑制ではなく, 継続摂取による耐糖能改善によるものと推察された.

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