日本食品科学工学会大会講演要旨集
Online ISSN : 2759-3843
第72回 (2025)
セッションID: 2Bp-02
会議情報

[2Bp01-10] 食品機能 血糖調節、骨代謝、ミネラル代謝、その他食品機能
PPARγを指標とした高知県産食用植物ミソハギの有効性評価
*宮田 椋鈴木 大進岡﨑 由佳阿部 大吾中島 芳浩
著者情報
会議録・要旨集 オープンアクセス

詳細
抄録

【目的】ミソハギ (Lythrum anceps) は野山の水辺や湿地に自生する多年草であり, 国内では本州, 四国, 九州に分布している. ミソハギには食経験があり, 乾燥物は下痢止め, 急性腸炎などに対する民間薬として利用されてきたが, 有効成分や生理活性メカニズムは未解明である. 本研究では, 2色のルシフェラーゼが安定発現する発光細胞株を作成し, リアルタイムレポーターアッセイにより, ミソハギの 80% メタノール抽出物の有効性を評価した. インスリン抵抗性や抗炎症作用の改善に効果的なターゲットであるペルオキシソーム増殖因子活性化受容体γ (PPARγ) の活性化が確認されたため, その活性成分を同定した.

【方法】ミソハギ地上部の乾燥物を 80% メタノールで抽出し, 目的の抽出物を得た. 得られた抽出物の有効性を評価するため, 特に PPARγ を指標とした2色のルシフェラーゼを安定発現する発光細胞を, 人工染色体ベクター (MI-MACベクター) を保持するマウス線維芽細胞 A9 を用いて作成した. PPARγ の活性化剤として報告されているピオグリタゾンを使用し, 作成した発光細胞の反応性を確認した. ミソハギの 80% メタノール抽出物に対し, 構築した PPARγ のアッセイ系を含め, その有効性を評価した. ミソハギの 80 % メタノール抽出物から, PPARγ 活性化成分を天然有機化学的な手法により同定した.

【結果】構築したアッセイ系により, ピオグリタゾンの EC50 を算出したところ, 98 nM であった. 算出した EC50 に基づき, 既に報告されているレポーターアッセイ系と比較すると, 構築したアッセイ系は PPARγ の活性化の評価に十分な反応性を有していることが明らかとなった. ミソハギの 80 % メタノール抽出物から, PPARγ 活性化成分としてエラグ酸を同定した. エラグ酸の含有量が高いと報告されているイチゴやナッツと比較して, ミソハギのエラグ酸の含有量は4~10倍高かった. エラグ酸を有効成分とした機能性表示食品も多く存在することから, 今後ミソハギの有効利用が期待される.

著者関連情報
© 2025 公益社団法人 日本食品科学工学会

この記事はクリエイティブ・コモンズ [表示 - 非営利 - 継承 4.0 国際]ライセンスの下に提供されています。
https://creativecommons.org/licenses/by-nc-sa/4.0/deed.ja
前の記事 次の記事
feedback
Top