【目的】おにぎり等の製造工程では, 炊飯米の粘りが原因による不良品発生が問題となる. 米は国内で300品種以上が生産されており, どのような品種であってもおにぎり製造時の安定性が求められる. そこで本研究ではおにぎりの安定製造に向け, 米飯の品種や品温が物性ならびに機械成形性に及ぼす影響について解明することを目的とする.
【方法】試料には令和5年度茨城県産「コシヒカリ」と「ミルキークイーン」を用いた. 主な実験手順は既報1)と同様に白米を洗米し, 加水量1.3倍で炊飯した後に, プラスチック容器に炊飯米を取り分けた. 所定温度(5℃ ~ 65℃)で1.5時間静置した後, 試料皿に10g充填し, 治具を用いて試料厚が15mmになるまで圧縮した. 圧縮後, 試料皿ごとプラスチック容器に入れ, 所定温度で1.5時間静置した. 物性試験機(タケトモ, TTP-50BXⅡ)を用いてクリアランスによる2バイト法(1バイト目:3mm;2バイト目:6mm)で物性を測定した. 炊飯米の機械成形性については, 物性試験と同様の炊飯米をプラスチック容器に取り分けた後に所定温度で3時間静置し, 卓上型おにぎり成形機(トップ, TO-3AH) を用いて成形した際のおにぎりの重量とそのばらつきを取得し, 成形性とした.
【結果】コシヒカリに比べてミルキークイーンでは硬度が低い値を示した. また,米飯物性では品種を問わず品温の上昇に伴い硬度と付着が低下する傾向が見られ, 特に低温で保存した際には物性が顕著に変化した. 成形性では, 既報1)同様に, 品温の低下に伴いおにぎりの重量が減少することが明らかになった. また, 同じ温度で静置した場合, 2品種間で温度による成形性の変化に差が見られた. これらのことから, 品温や品種は硬度や付着を介しておにぎり製造に影響を及ぼすことが示唆された.
1) 向峯ほか, 日本食品科学工学会大会第71回大会, 2024