【目的】大量炊飯における米飯の品質向上と経時変化抑制は,中食産業や給食施設にとって重要な課題である.本研究では大量炊飯ラインでの使用を想定し,次の特徴を持つ米飯改良剤を開発している.1)離型効果を持つ炊飯油および老化抑制・粒感向上効果を持つ改良剤を1液に配合, 2)蒸気炊飯と釜炊飯の両方式の連続ラインで使用可能, 3) 1)2)を満たすために水との軽い撹拌で微細乳化状態になる自己乳化性. 今回は連続単釜および連続蒸気炊飯装置を用いて, この自己乳化型米飯改良剤(以下:本改良剤)の作業性と米飯への効果を検証した.
【方法】大量炊飯への実装を見据え,アレルギー表示を要しない植物油,レシチン,糖アルコールをベースとした本改良剤ⅰ)を調製し,米は国産ブレンド米(中食向け流通品:令和5,6年度産)を用いた.釜炊飯は単釜ガス式連続炊飯器で生米7㎏を1時間浸漬した後,7.6㎏の水を加えて炊飯した.蒸気炊飯では,蒸気式連続炊飯装置を用いて生米4㎏を洗米後,水を切り炊飯装置に投入し,炊飯時間はコンベアスピード制御で対照区は25分間,改良剤添加区は27分間とし,コンベア中の加水地点(3/4番目)で改良剤を噴霧した.全ての試料は炊飯直後に真空冷却装置を使い25℃まで冷却し,惣菜米飯と同様に20℃,24h保存後,テンシプレッサーにて物性測定し,離型効果,老化抑制効果,粒感向上効果についても評価した.【結果】本改良剤は大量炊飯現場を想定した連続単釜及び連続蒸気炊飯装置の自動投入装置において均一な添加が可能であった.米飯物性においては,単釜炊飯の場合,本改良剤を用いた試料は従来の酵素製剤と炊飯油を用いたものよりも高い離型性がみられ,また蒸気炊飯の場合,従来の改良剤よりも24h保存後のバランス度(粘り/硬さ)から高い老化抑制効果がみられた.ⅰ)特許7175432 米飯改良剤及び米飯の製造方法