抄録
近年では,男性によるメイクへの関心の高まりがみられ,さらには社会においても男性メイクが受容されつつある。本研究では,パーツの求心化と遠心化という女性のメイク技術に着目し,メイクと写真加工によるそれぞれのメイクが男性顔にもたらす印象変化の違い,および印象変化の方向性,の2点を検証した。実験では,11名の男性のオリジナル顔と,メイクと写真加工という2つの操作方法によってパーツの布置が求心化あるいは遠心化された顔を刺激として女性実験参加者に呈示し,親しみやすさ,活発さ,大人っぽさ,知的さの4項目に関する評価を求めた。分析の結果,求心化と遠心化はともに印象変化をもたらし,その傾向はメイクと写真加工で異なることが示された。特に,知的さの評価は,メイクでは求心化で高まるものの,写真加工では遠心化で高まるという,対照的な効果がみられた。また,メイクによる求心化がもたらす印象変化は,女性顔における一般的知見と同等であることが示された。