抄録
親は子どもの装いについて様々な悩み事や困り事を有する。本研究では,娘の装いに関して母親はどのような困り事を認識しているのか,その実体を明らかにするとともに,娘の年齢との関連について明らかにすることを目的とした。未就学児から中学生にかけての608ケースについてデータを分析したところ,最も多い困り事は「同じ服ばかり着たがる」であり,次が「親の選んだ服を着なかったり文句を言ったりする」であった。また,困り事の分類の後に年齢との関連を検討したところ,困り事によって独自のパターンが確認された。そして,娘の成長に伴う環境の変化だけでなく,娘の成長に伴う親の受け止め方の変化といった要因が関連している可能性が示唆された。