容装心理学研究
Online ISSN : 2436-3367
2 巻, 1 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • メイクと写真加工による比較
    髙木 幸子, 安田 孝
    2023 年2 巻1 号 p. 1-13
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/03/20
    ジャーナル フリー
    近年では,男性によるメイクへの関心の高まりがみられ,さらには社会においても男性メイクが受容されつつある。本研究では,パーツの求心化と遠心化という女性のメイク技術に着目し,メイクと写真加工によるそれぞれのメイクが男性顔にもたらす印象変化の違い,および印象変化の方向性,の2点を検証した。実験では,11名の男性のオリジナル顔と,メイクと写真加工という2つの操作方法によってパーツの布置が求心化あるいは遠心化された顔を刺激として女性実験参加者に呈示し,親しみやすさ,活発さ,大人っぽさ,知的さの4項目に関する評価を求めた。分析の結果,求心化と遠心化はともに印象変化をもたらし,その傾向はメイクと写真加工で異なることが示された。特に,知的さの評価は,メイクでは求心化で高まるものの,写真加工では遠心化で高まるという,対照的な効果がみられた。また,メイクによる求心化がもたらす印象変化は,女性顔における一般的知見と同等であることが示された。
  • 母娘に焦点をあてた検討
    鈴木 公啓
    2023 年2 巻1 号 p. 14-18
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/03/20
    ジャーナル フリー
    親は子どもの装いについて様々な悩み事や困り事を有する。本研究では,娘の装いに関して母親はどのような困り事を認識しているのか,その実体を明らかにするとともに,娘の年齢との関連について明らかにすることを目的とした。未就学児から中学生にかけての608ケースについてデータを分析したところ,最も多い困り事は「同じ服ばかり着たがる」であり,次が「親の選んだ服を着なかったり文句を言ったりする」であった。また,困り事の分類の後に年齢との関連を検討したところ,困り事によって独自のパターンが確認された。そして,娘の成長に伴う環境の変化だけでなく,娘の成長に伴う親の受け止め方の変化といった要因が関連している可能性が示唆された。
  • 拒絶過敏性を媒介変数として
    小林 真綾, 矢澤 美香子
    2023 年2 巻1 号 p. 19-22
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/03/20
    ジャーナル フリー
    醜形恐怖症の発症に小児期における母親の養育態度が寄与している可能性が指摘されているものの,そのメカニズムは明らかになっていない。本研究の目的は,母親の養育態度(養護と過保護)は醜形懸念と関連し,その関連に拒絶過敏性が介在するかを検討することであった。大学生428名を対象にWeb上での質問紙調査を行った。その結果,母親の養護と醜形懸念との間に有意な関連は認められなかったが,母親の過保護と醜形懸念との間に有意な正の関連が認められた。加えて,母親の養護と過保護は拒絶過敏性を介して醜形懸念に関連することが示された。今後は,BDD臨床群を対象に本研究の結果が再現されるかを検討することが求められる。
  • 乳幼児を育てている母親と女子大学生の経験による探索的検討
    市村 美帆, 新井 洋輔
    2023 年2 巻1 号 p. 23-31
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/03/20
    ジャーナル フリー
    本研究では,家族内,親子間や兄弟(姉妹)間で,おそろいのファッションを楽しんだり,おそろいの洋服を着るという「家族内のリンクコーデ」の現象について,心理学的視点から,探索的に検討した。研究1では,乳幼児を育てる母親(N=4)を対象に面接調査を実施した。研究2では女子大学生(N=89)を対象に,これまでの「家族内のリンクコーデ」の経験と,「家族内のリンクコーデ」を見た経験について質問紙調査を行った。結果を踏まえて,家族内,親子間や兄弟(姉妹)間で,おそろいのファッションを楽しんだり,おそろいの洋服を着るという「家族内のリンクコーデ」の現象について,その現象の楽しみ方と,周囲に与える影響から考察した。
  • 木村 昌紀, 森末 理沙, 藤井 菜穂
    2023 年2 巻1 号 p. 32-44
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/03/20
    ジャーナル フリー
    類似性魅力は, 対人魅力に関する頑健な現象である。従来の研究は, 主に態度やパーソナリティの類似性に注目してきた。本研究は, 化粧や衣服の類似性が対人魅力に及ぼす影響を実験的に検討した。41名の女性大学生が研究1に参加して, 化粧の類似性が対人魅力を高めることが実験的に示された。研究2では47名の女性大学生が参加し, 衣服の類似性が対人魅力を高めるが, 同じ衣服は似た衣服より魅力を低めることが実験的に示された。一連の結果から, 化粧や衣服の類似性が初対面の人物の魅力を高め, 関係形成を促進することが示唆された。ただし, 同じ衣服は独自性欲求の充足を妨げるため, 類似性魅力理論の予測に反して対人魅力を低める可能性がある。最後に, 本研究の限界と今後の展開について議論した。
  • 2023 年2 巻1 号 p. 44-
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/04/19
    ジャーナル フリー
feedback
Top