抄録
男性のメイクアップ体験による心理的効果について,状態不安とメイクアップへの印象の変化,および自由記述の結果から検討した。19~24歳の日常的にメイクアップをしない男子大学生18名を対象に,自身の顔にメイクアップを施す実験を行った。分析の結果,状態不安全項目ではメイクアップの前後で有意な差は見られなかった。メイクアップの印象では,男性一般のメイク,自分自身のメイクともに,メイクアップ前よりメイクアップ後の方が,暖かい,好きな,良い,感じのよい,親しみやすいの5項目が高くなり,男性一般では,気持ちのよい,きちんとしたの2項目も加えてメイクアップ後には高くなった。実際にメイクアップを施したことで,メイクアップを身近なものであると感じ,顔の印象の変化によって,メイクアップに対する抵抗感が軽減され,好感を抱いたと示唆される。男性一般に対するメイクアップについても,他者から好ましく見られたいという自己呈示的な動機が喚起された可能性がある。