動物遺伝育種研究
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疾患モデルとしてのメダカ: 突然変異体の解析とアレイによるヒレ再生の解析
工藤 明
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2007 年 35 巻 Supplement 号 p. 34-40

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抄録

我々はメダカ突然変異体のスクリーニングにより、中胚葉組織・細胞である、骨、心臓血管・血球、ヒレの変異体を166種類を得、さらにその53種類をライン化し、その中で特に興味深い20種類について候補遺伝子の同定を行っている。赤血球形成異常の変異体whoの原因遺伝子はENU変異体としては世界で初めて、原因遺伝子が同定され、その産物はヘモグロビンの合成酵素ALADであった。またヒレ伸張が異常な変異体の原因遺伝子は転写因子であるhoxb8であった。Hob8は伸張に関与するwnt5な発現を制御していることが明らかになった。またメダカ尾ビレ再生関連遺伝子として6種類同定され、その中の1つはヒレ再生1日目と咽頭歯再生領域に発現が見られ、再生特異的に発現する遺伝子であった。

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© 日本動物遺伝育種学会
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