經營學論集
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第89集 日本的経営の現在─日本的経営の何を残し,何を変えるか─
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自由論題
(47)ベトナム子会社での実効あるコーポレート・ガバナンスの構築
──中小製造業F社における不正防止対策の事例を中心に──
*安達 巧
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p. F47-1-F47-8

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抄録

中小製造業F社のベトナム子会社を含むベトナム進出企業等複数で過去の不正や不祥事の事例を調査した結果,不正が起こり易い部門は「購買」,「輸出入」,「総務」,「経理」の各部門であり,トラブルが起こる場面としては「材料や備品の盗難」,「金銭のごまかし」,「社内での販売」等であることが判った。ベトナム人の考え方や社会構造が「共同体的」である点に鑑みると,彼らに裁量権を与え過ぎた結果,職場内に「ムラ」が成立し,常軌を逸した不正や不祥事に走らせる結果を招いたともいえるように思われる。 F社では,費用面からも日本人の現地派遣を増員せず,勤怠管理に指紋認証システムや監視カメラを導入したことで残業時間が大きく減って人件費削減等に繋がるなど〔残業代の不正受給という〕不正防止に一定の成果を上げることができた。「常に観ている」との姿勢を見せる意義は大きい。また,過去の不正や不祥事の記録を残すことにより現地代表や赴任者の交代後に起きる不正や不祥事の再発を防止することが可能となる故,そうした取組みも実施すべきである。

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