2018 年 54 巻 2 号 p. 68-74
本研究では、農業生産現場におけるガチョウの除草利用に向けた基礎的知見を得ることを目的とし、甘味(スクロース)、塩味(塩化ナトリウム)、酸味(クエン酸一水和物)、苦味(塩酸キニーネ)および旨味(グルタミン酸ナトリウム)に対するガチョウの味覚反応を2瓶選択法で明らかにした。これらの味物質を水道水で溶かし、それぞれ11段階の濃度を設け、低濃度から高濃度に向けて上昇法で試験を行った。水道水を対照とした総飲水量に対する味溶液の摂取割合を選好指数とし、χ2検定(5%水準)により選好指数39.7から60.3%を不弁別範囲、60.3%以上を嗜好範囲、39.7%以下を拒絶範囲と定義した。その結果、ガチョウは甘味濃度0.02から20%の溶液に対して嗜好も拒絶も示さなかった。一方、塩味、酸味、苦味および旨味に対してはそれぞれ2.5、0.32、0.04および5%以上で拒絶反応を示した。以上より、ガチョウはどの味物質に対しても嗜好を示さなかったものの、塩味、酸味および旨味に比べて苦味に対してはより低濃度から拒絶を示した。したがって、ガチョウは塩味、酸味および旨味よりも苦味に敏感であり、味覚により飼料を選択採食していることが示唆された。