2015 年 21 巻 1_2 号 p. 1_2_1-1_2_24
消費者は、購入時に多機能製品を選ぶが、後に使いこなすのが困難であることに気づくことがある。このような選好の逆転現象は機能疲労(FeatureFatigue)と呼ばれ、スイッチングや悪評といった行動を招くとされてきた。
本研究では、デジタルカメラの買い替え前後2回に渡って実施したアンケートデータを用いて、機能疲労の影響を実購買の側面から確認した。その結果、仮説通り、機能疲労は実際のリピート購買行動にマイナスの影響を及ぼすことが示さた。また、機能疲労はネガティブクチコミを促進しポジティブなクチコミ行動を抑制するだけでなく、感情的ブランド・コミットメントの有するネガティブなクチコミを抑制する力を弱めてしまうことなども示された。