IMC(Instructional Manipulation Check)やDQS(Directed Question Scales)などの不注意・努力不足回答を識別するトラップ質問は、現代の調査研究で多くの研究者や実務家に使用されている。一方で、これらには「トラップ質問に調査の冒頭で接した回答者は、その後の質問に注意深く回答する」という波及的な注意喚起効果が期待できる可能性がある。しかし、この効果の存在は一部の研究で指摘されてきたものの、一貫した研究知見が得られてこなかった。そこで本研究では、行動ログと調査回答が紐づいたデータを使い、実行動と比較して回答が事実に近づくかという新しいデータ品質の評価指標を用いて、この効果を再検討した。具体的には、実際の調査フィールド上での実験を行い、IMCとDQSを回答精度を評価する質問の先と後に配置した、2×2の4群のデータを収集し、回答傾向の違いを分析した。分析の結果、IMCには注意喚起効果があり、回答者が調査の冒頭でIMCに触れると、その後回答精度が高まることを示した。しかし、DQSには注意喚起効果があるとはいえなかった。これらに基づき、現代の調査環境が抱える課題に対する示唆を提示した。
本研究の目的は、摂食抑制者において小分けパッケージよりも一括パッケージからの摂食量が少なくなるという、食品業界や消費者の認識とは逆の現象が生じるメカニズムを明らかにすることである。実験室実験により、同一総量の食品を一括パッケージまたは小分けパッケージで提供し、パッケージ形態が摂食抑制者の許容量の検討度合および設定する許容量の大きさを介して摂食量に及ぼす影響を検証した。また、この現象が摂食抑制者に特有のものかどうかを確かめるため、非摂食抑制者についても同様の検討を行った。その結果、摂食抑制者は一括パッケージに対してより小さな許容量を設定し、それを基準に認知的に摂食を制御していた。一方で、非摂食抑制者ではこうした傾向はみられなかった。このことから、この現象の背景には摂食抑制者が摂食を抑制するために設定する許容量があり、小分けパッケージよりも一括パッケージが摂食抑制者に過食への警戒心を喚起し、より厳しい自己制御を促すことにより、摂食量を抑制することが示された。
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