接着歯学
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ユニバーサルシステムへのリン酸エッチングの応用が歯質 接着性に及ぼす影響
田村 ゆきえ 島村 穣柴崎 翔松吉 佐季植田 宏幸金澤 智恵平井 一孝辻本 暁正宮崎 真至日野浦 光
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2015 年 33 巻 2 号 p. 75-82

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抄録
シングルステップおよび2 ステップユニバーサル接着システムの歯質接着性について,リン酸エッチングの使用が エナメル質および象牙質への接着強さに及ぼす影響を検討するために,剪断接着強さを測定するとともに,その接着 界面の観察を行った.ユニバーサル接着システムとしては,シングルステップシステムのScotchbond Universal Adhesive および2 ステップシステムのPeak Universal Bond を用い,比較材料としてセルフエッチングシステムの Clearfil Mega Bond を用いた.ウシ歯エナメル質および象牙質に,製造者指示条件に従って歯面処理をした試片をコ ントロールとし,35%リン酸エッチングを塗布した試片と比較した.歯面処理後,レジンペーストを填塞,光照射を 行って接着試片とした.接着試片は,37℃精製水中に24 時間保管した後,剪断接着強さの測定を行うとともに,接 着試験と同様に製作した試片を用いて接着界面についてSEM 観察した.その結果,エナメル質において,いずれの システムにおいてもエッチングを行うことによって有意に高い接着強さを示した.一方,象牙質においてはエッチン グを行うことによって接着強さが低下する傾向を示した.また,接着界面の観察からは,エナメル質および象牙質い ずれの被着体に対しても,ギャップの形成は認められず良好な接着界面を形成していた.本実験の結果から,今回供 試した接着システムにおいては,エナメル質へのリン酸エッチングはセルフエッチモードと比較して歯質接着性を向 上させることが示された.
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© 2015 一般社団法人日本接着歯学会
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