接着歯学
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PTC器具が間接修復用コンポジットレジンの表面粗さに与える影響
山村 高也 大河 貴久伊東 優樹杉立 尚城藤井 孝政田中 昌博
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2016 年 34 巻 2 号 p. 62-67

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抄録

歯冠修復後には天然歯と異なる固有のプロフェッショナルケアが重要である.本研究では,Professional Tooth Cleaning(PTC)が間接修復用コンポジットレジンの表面粗さに及ぼす影響について検討した.  間接修復用コンポジットレジンには,エステニア(Es)および エクスペリア(Ex)を用いた.耐水研磨紙で試料 (10×10×2 mm3)を#2000 まで研磨した後,超音波洗浄を行った.PTC はエアスケーラーを用いたS 群,エアス ケーラー接続型ナイロンブラシのみを用いたN 群およびマイクロモーター接続型ナイロンブラシと研磨材を用いた M 群の3 条件とした.実験1 は,荷重を0.5 N に規定し,実験2 は,歯科衛生士7 名がPTC を行った.表面粗さ (Ra)をサーフコーダSE300 にて計測し,PTC 前後の差分を計算し比較した.統計学的解析は,PTC 方法および間 接修復用コンポジットレジンの種類を要因とする二元配置分散分析後,多重比較を行った.有意水準は1%とした.  実験1 では,Es ではN 群がS 群およびM 群と比べて有意に小さい値を示した.S 群では,Ex がEs と比較し有意 に小さい値を示した.実験2 では,N 群がS 群と比べて有意に小さかった.  PTC 方法および修復材料の違いにより,表面性状の変化が異なることが明らかとなった.

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