2021 年 39 巻 4 号 p. 87-96
アドヒーシブの塗布法が,ユニバーサルアドヒーシブの象牙質接着性におよぼす影響について剪断接着強さ(SBS)試験とともに表面自由エネルギー(SFE)測定から検討した.ユニバーサルアドヒーシブとしては,Scotchbond Universal Plus Adhesive を用いた.SBSおよびSFEの測定には,牛歯象牙質を用いるとともに,アドヒーシブの塗布は以下の4条件で行った.1)セルフエッチ条件(SE モード)にてアドヒーシブ塗布,直ちにエアブローを行った群(IA),2)SEモードかつ製造者指示条件で塗布した群(MA),3)リン酸エッチング後(ERモード),IA条件で塗布および4)ERモードかつMA条件で塗布.通法に従い接着試片を製作後,SBS試験を行った.SFE測定は,アドヒーシブ塗布後,これを洗浄した象牙質面から求めた.その結果,いずれの塗布時間においてもSEおよびERモード間の接着強さに有意差は認められなかった.一方,塗布時間の違いで比較するとIA群はMA群に比較して有意に低い接着強さを示した.SEモードのトータル表面自由エネルギー(γS)は,ERモードに比較して有意に高い値を示した.以上のように,本実験に使用したユニバーサルアドヒーシブの象牙質接着性は,塗布時間の影響を受けることが明らかとなった.