接着歯学
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直接法によるコンポジットレジン接着ブリッジの臨床応用と意義
斉藤 季夫
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1994 年 12 巻 1 号 p. 17-22

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抄録

コンポジットレジンの歯質接着性とコンポジットレジンの物性に期待したコンポジットレジンのみによる直接法接着ブリッジの臨床応用を行い10年以上になり、この術式は臨床上極めて有益な方法であることを確認できた。また、従来補綴的治療が極めて困難であった前歯欠損部隣接の歯牙が高度の歯周疾患に罹患している症例では動揺歯固定を兼ねたブリッジを作り、歯周組織に好影響を与え、骨組織の改善も見ることができた。術式としては咬合関係の詳細な観察が大切で、接着は保存修復時の接着技法を正確に行う必要がある。本法の特色として、少数前歯欠損部の補綴を臼歯義歯から分離独立させることができ、支台歯の削去はほとんど行わず、植立方向も関係なく治療でき、即日補綴が可能なことなど今まで考えも及ばなかった多くの臨床効果が期待できるが、適応症の診断を含めた臨床応用法の精通が必須であると考え、この点についても詳述した。

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