接着歯学
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高粉液比型グラスアイオノマーセメントの5級窩洞適合性と機械的強さ: 硬化直後と24時間後の比較
入江 正郎チャンドラウィナタ ロサリナ鈴木 一臣
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2002 年 20 巻 3 号 p. 158-164

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抄録
高粉液比型グラスアイオノマーセメント, Fuji IX GPおよびFuji VIIIの使用に際して, 硬化初期および24時間水中浸漬後の5級窩洞適合性 (各条件につき10窩洞を使用し, 1窩洞当たり14カ所, 計140カ所で観察して間隙が確認された数で評価) と機械的強さ (エナメル質と象牙質に対するせん断接着強さ, 曲げ強さ) を検討した.あわせて, 通常粉液比型のFuji IIおよびFuji II LCと比較しながら高粉液比型の効果も検討した.
その結果, 5級窩洞適合性において, 硬化初期研磨では窩洞全周で80-120/140カ所 (1窩洞14カ所×10窩洞) の間隙が観察されたが, 24時間後研磨では10-20/140カ所の間隙が観察されたのみで, 4種のセメントにおいて1日間水中浸漬後のほうが, 硬化初期と比較して有意に改善された.4種のセメントにおいては, 接着強さや曲げ強さの向上が5級窩洞適合性の向上に大きく影響したものと考えられる.高粉液比型の効果は, 窩洞適合性改善には影響を及ぼさないが, エナメル質に対する接着強さの改善がみられた.
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