抄録
本研究は, 牛歯象牙質に対して熱処理を行い, 象牙質と接着性レジンセメントの接着性にどのように影響を与えるかについて検討した.冷凍保管牛歯に対し, 40℃と60℃とのサーマルサイクル10,000回および100℃10時間熱処理を行い, スーパーボンドC&B (サンメディカル) との圧縮せん断接着強さを測定した.また, 熱処理象牙質の研磨面, 表面処理剤グリーンによる前処理面, スーパーボンドを接着させた場合に形成されるレジンタグを走査電子顕微鏡によって観察し, あわせてヌープ硬さの測定を行った.その結果, 熱処理を行うことによって, スーパーボンドとの圧縮せん断接着強さは低下し, また, スミヤー層除去の効果の減少, ヌープ硬さの低下が認められ, 熱処理による象牙質コラーゲンの変化の影響が示唆された.