接着歯学
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改良されたワンボトルワンステップ型レジンボンディング材の歯質接合界面のFE-SEM観察
森上 誠杉崎 順平片平 信弘山田 敏元
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2003 年 21 巻 2 号 p. 140-149

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抄録

この度, サンメディカル社より, 従来のAQ Bondに改良を加えて, ボンドの2回塗布が不要で, ハロゲン系・キセノン系・LED系の各種の可視光線照射器が使用可能となったAQ Bond Plusが開発された.本研究では, ヒト新鮮抜去歯を用いてAQ Bond Plusとエナメル質, 健全象牙質およびう蝕除去後の象牙質との接合界面について, アルゴンイオンエッチング後のFE-SEM観察を行った.その結果, AQ Bond Plusとエナメル質, 健全象牙質およびう蝕除去後の象牙質との接合界面は, いずれも緊密な接合状態を示したが, 象牙質との接合界面において従来のSEM像で確認されたような樹脂含浸層は認められなかった.以上より, 樹脂含浸象牙質, すなわち従来のHybrid層がレジンの象牙質接着にとってはたして必須の要件であるか否かについて疑問が呈された.

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