接着歯学
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試作オールインワン・アドヒーシブシステムSSB-200の歯質接着性の評価
宇野 滋吉田 英史杉崎 順平山田 敏元
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2004 年 22 巻 3 号 p. 245-253

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抄録

試作オールインワン・アドヒーシブシステムSSB-200の接着性を, 象牙質に対する微小引張り接着強さ, 歯質との接着界面のFE-SEMならびにTEM観察により評価した.2種コンポジットレジンを用いた場合の象牙質接着強さは49.17±9.07MPaおよび65.34±13.67MPaであり, 2ステップセルフエッチングプライマーシステムに匹敵するものであった.エナメル質, 健全あるいはう蝕除去後の象牙質との接着界面のFE-SEM像では, 緊密な接合状態が観察された.象牙質との接着界面のTEM像では0.5μm未満の樹脂含浸層が存在し, 界面にはvoids formationは認められず, ナノレベルの接着機構の存在が推測された.以上より, SSB-200の歯質接着性は良好なものであり, 臨床における有用性が期待される.

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© 日本接着歯学会
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