接着歯学
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レジンコーティング法によるコロナルリーケージの抑制効果 (大臼歯)
丸岡 令奈二階堂 徹田上 順次
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2006 年 24 巻 3 号 p. 105-110

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抄録
本研究の目的は, ヒト抜去大臼歯に対してレジンコーティングを行い, コロナルリーケージの抑制効果について検討することである.試料としてヒト抜去大臼歯72本を用い, エナメル-セメント境で歯冠を切断し, 各根管を通法に従って35号まで根管拡大した後, 根管充填を行った.すべての試料は37℃ 水中にて24時間保管の後, ポスト形成の有無により2群に分け, さらにコーティングの有無で2群に分け, すべての副群で仮封の有無により2群に分けた.すべての試料は48時間の色素浸透試験の後, 歯軸方向に割断し, 根管口から左右の根管壁に沿って染色液の浸透長さを実体顕微鏡により測定し, コロナルリーケージのスコアとした.得られた結果はThree-way ANOVAとFisher's PLSDにより有意水準5%にて統計処理を行った.その結果, レジンコーティング, ポスト形成, 仮封ともにコロナルリーケージの値に影響を及ぼすことが認められた.また, Clearfil Mega BondとProtect Liner Fの組み合わせによるレジンコーティング法が, 大臼歯根管処置歯におけるコロナルリーケージの抑制に最も有効であることがわかった.
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© 日本接着歯学会
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